食の秋になりそうです。

夏子の酒


尾瀬あきら


酒蔵の娘、夏子が兄の遺志を継いで数々の逆境と戦いながら、
酒造りを通して成長していく。
といったところでしょうか。


こいつは驚いた。


そのタイトルから酒や酒造りのうんちくあり、苦労話ありの元祖「もやしもん」かと思っていましたが、
ぜんぜん違いました。反省しております。


夏子はいろいろな出来事に直面します。
原料である米の問題、村の問題、、、
そして酒を飲む消費者の思考の問題。
この課題に関しては作者のメッセージがこめられていると思います。
話の中で
「ただ酔えればいいという人や、企業の広告に躍らされて安い酒ばかり売れて
本当に良い酒は淘汰されていく。」
といったような台詞があります。
確かに資本主義の世の中では仕方ないことのように思えますが、
良いものがなくなってしまうのは悲しいことです。

他にも食料輸入大国日本や食の安全などの問題が話にでてきたりして、
最近の出来事と照らし合わせるとなるほどな、と納得させられます。


なんか変なところに注目してしまいましたが、
本編は一度読み始めると純粋な夏子に感情移入しやすくてどんどん読んでしまいます。
周りの人たちの係わり合いや問題を乗り越えて成長していく姿は応援せずにはいられません。
引き込まれます。
また、銘酒の味の表現にひかれます。
本当においしいお酒(日本酒)というものを味わってみたいという衝動が沸いてきます。
抑えられないくらいに。



今までに読んだことのないタイプだっただけに、勧められなければ出合うことのなかった作品だと思います。


紹介してくださった
へーちょさん
ありがとうございます。
そして、
この漫画の良いところをあまり紹介できず
ごめんなさいたま。